2017/05/10

 

連載インタビュー「100人×100色=マジック」 第1回: 高橋 順(マジックプレイヤー)

 

by 伊藤 大暉

 

 

日本各地に存在するマジック:ザ・ギャザリングのコミュニティ。

 

本コラムでは、競技プレイヤーとしてマジックに臨む方からジャッジとして屋台骨を支えてくれる方々まで、ご自身のマジック観やご当地マジック事情について毎回一名のゲストと対談を行いインタビュー記事を連載していきます。

 

初回となる第1回は、6月から仙台を離れて東京で更なる競技マジックに邁進していくプレイヤー、"高橋 順"さんにお話を伺いました。

 

第1回インタビューは当店スタッフ 小山内、伊藤の二名でお送りします。

 

 

高橋 順(タカハシ ジュン)

 

 

主に仙台でマジックをプレイ。

競技志向が強く、GPや県外PPTQへの遠征も積極的に行っており、マジックに対する情熱は深い。

 

 

伊藤:まずは高橋さんのマジックのルーツについて教えてください。

 

高橋:マジックを始めたのは中学校1年のころです。当時バトミントン部に入っていたんですけど、その時マジックをやっていた部員に誘われたのがきっかけですね。大体日本語版のパックが売られ始めた4版~5版の頃だったと思います。

 

小山内:奇遇ですね。僕も中学校の時バドミントン部に入っていてその頃にマジックを始めました(笑)

 

高橋:(笑)。当時はもっぱらシーガル五輪店でパックを買っていました。そのお店は今はもう無くなっちゃったんですけど、マジックに誘ってくれた友人がそのお店の常連で、彼伝いで僕もお店の人と仲良くなった結果、いらないカードを分けてもらったりする仲になりました。

 

小山内:それはありがたかったでしょうね。始めたころはその部活の友達と一緒に遊んでいた感じでした?

 

高橋:そうですね。当時は「遊戯王」の連載が始まっていたのもあり、元となったカードゲームがマジックであることを他の友人たちに教えていった結果、学校全体でマジックが流行りました。

 

伊藤:それは凄い広まりようですね。

 

 

 

写真左から伊藤、小山内、高橋(敬称略)

 

 

高橋:生徒会長を含む先輩たちもマジックをするようになってました(笑)。その中でも発祥の元となった我がバドミントン部が、先にマジックを始めていたというアドバンテージもあり学校一でしたね。

 

小山内:少なくともマジックにおいては最強の部活だったと。

 

高橋:そうでしたね(笑)。また、その学校の目の前にあった市民センターでマジックの大会が開かれていて、土日の部活帰りに様子を見に行ったりもしました。マジックを始めてから1年ほど経ったあたりに、自分も友達と一緒にその大会に出始めるようになりました。

 

小山内:初めて出た大会はどうでしたか?

 

高橋:僕は赤単のスライデッキで出ました。その大会の他の参加者は年上の高校生や大学生が多数でしたが、僕は物怖じせず話しかけることが出来る性格でしたので、色々な方々と交流していきました。様々なマジックの知識を得ていた結果、そこから飛躍的に強くなっていったと思います。

 

小山内:それは素晴らしいですね。仲間内のみの練習ですとデッキの作り方やルール知識等の学習には限界がありますし。よりマジックに詳しい年長の知り合いを作れたというのは大きいことです。

 

高橋:そうですね。それに当時はシングルカードなんて売られてなかったので、学校内でも必要なカードを十分に持っている人なんてまずいなかったのですが、大会がカードをトレードする機会にもなっていたので、大会によく出る僕が率先して学友から足りないカードを聞き回ってトレードの仲介役を担ってもいました。

 

小山内:凄い役目ですね(笑)。コモンでも4枚集めるのは難しかったですよね。緑単を作ろうとしてもまず森が足りないということすらあった記憶があります。

 

伊藤:今では考えられないことですね。

 

高橋:そうですね。そんな感じで学生の間は大会とカジュアルでマジックを楽しんでいました。仲間内でドラフトをやったりもしましたね。といってもパックが高かったので、パックウォーズのような1パックドラフトでしたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊藤:競技大会に出始めたのはいつ頃でしたか?

 

高橋:1999年にグランプリ東北があり、それが初めて出た競技大会でした。確か400人くらいが参加していましたね。知っている有名プレイヤーが全員二日目に行く中、自分は初日8回戦を5-3で終えて二日目には行けなくて、悔しい思いをしました。

 

伊藤:それでも当時まだ中学生ですよね。その若さでその成績とはだいぶ健闘しましたね。

 

高橋:2日目にはサイドイベントとしてジュニアトーナメントがあって、部活の友人と出ました。自分も友人もかなり勝ったんですけど、後半でその友人と当たって負けて、その友人も決勝戦を負けて2位、自分は8位で終わりました。

 

小山内:それが初めての「結果」を残した大会になったわけですね。

 

高橋:そうですね。会場には外国人も多くて、英語でトレードを持ち掛けてみたりもしました。友人達は外国の人に話しかけることを躊躇していましたが、自分は学校で勉強した英語を使ってみたくもあったので積極的に話しかけてみましたね。どの方もフレンドリーに対応してくれました。その後高校に入ってからは部活仲間と離れ離れになってしまい、マジックに触れる機会がめっきり減ってしまいましたね。新しいマジック仲間もなかなか見つけることができず、徐々にマジックからは離れていきました。インベイジョンの頃でしたかね。

 

小山内:一時的に休止状態に入ったということですかね。

 

高橋:そうです。マジックに再び触れたのはちょうど震災(宮城県沖地震)があった時ですね。震災の影響でやることもなくて、電気が復旧している友人の家に集まってお風呂に入らせてもらったりしたんですが、その友人がカードをかなり持っていて、久々にやってみるかーという流れで遊びました。

 

小山内:震災となるとマジックを休止してから10年以上も後のことですよね。かなりのブランクがあったと思いますが、再びマジックに触れてみてどうでしたか?

 

高橋:遊んでみると友人たちには殆ど負けなかったんですよね。カードを持っていた友人もマジックは休止状態で、ほぼ同じブランクを持った中で勝ちまくりました。彼らとマジックで遊んだのはその時だけだったのですが、久々にマジックをやって楽しさを思い出し、友人からカードを譲り受けて、また大会やプレリリースに出るようになりました。といっても、当時の仕事の関係で土日はなかなか暇がなかったのであまり頻繁にマジックはできなかったのですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高橋:2014年にはグランプリ名古屋があり、リミテッドでデッキも必要なかったので参加してみました。最後に出たグランプリ東北から実に2回目の競技イベントでした。そこでプロと対戦して負けたり、二日目に知り合いの小澤さん(宮城)が全勝して9位に入っていたのを受けて、こうした強者達には普段から練習しないと太刀打ちできないと思い、本格的に復帰し始めました。当時の自分は遊びの傍らでマジックに触れていたんですけど、真剣にマジックに取り組んでいる人たちに勝てるわけがないなと。やるからには勝ちたかったんですよね。

 

伊藤:マジック強者の様子が刺激になったわけですね。

 

高橋:はい。まずは練習ということでスタンダードのデッキを組みました。テーロスの頃でしたので、赤緑のドラゴンデッキを作り、以後の大会はそれを使い続けてました。デッキを作ってからは仙台の五城楼杯やTMC(東北マジックカップ)に参加してましたね。

 

伊藤:最近はマジックにどういった姿勢で取り組んでいますか?

 

高橋:今は完全に競技志向になりましたね。グランプリやPPTQに遠征したり、メンバーを集めて練習やドラフトをするようになりました。

 

伊藤: よくマジックをする知り合いにはどういった方がいらっしゃいますか?

 

高橋:刺激を受ける強者としては村上裕樹さん(※1)や熊谷陸さん(※2)、あと住まいの関係であまり機会はないですけど小澤毅さん(※3)ですかね。他にもグランプリや大型イベントで結果を残している知人が多くいます。

 

※1:グランプリ仙台01ベスト4・日本選手権02ベスト4

※2:グランプリ東京16優勝・グランプリ北京17ベスト8

※3:グランプリ山形06準優勝・グランプリ仙台10ベスト8


小山内:東北は競技大会が少ないですよね。

 

高橋:そうですね。その環境で刺激をもらえる知人が多くいたのは僥倖でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊藤:マジック以外に取り組んでいることはありますか?

 

高橋:これまで雀荘に勤めていたので、麻雀を嗜んでます。他には一部のマジックプロもプレイしているポーカーとかですかね。

 

小山内:マジックと似た側面も多いですよね。

 

高橋:そうですね。ただその中でもマジックは負けた時の悔しさが一番大きいです。

 

伊藤:それはどうしてですか?

 

高橋:やはりマジックが一番好きだからですかね。麻雀やポーカーよりもずっと勝つことが出来る。勉強やスポーツでは自分はその上位に行くことはできなかったんですけど、マジックは他の人よりも勝つことができた唯一のゲームでした。マジックなら自分が一番1位に近づくことができるという思いが根底にあり、それが相まって負けたくないという向上心に繋がっているんだと思います。


伊藤:東京へ移ってから*は、どのようにマジックをしていこうと思いますか?

 

* 高橋さんは『晴れる屋』さん実施のマジック面接を経て正社員勤務が決定したことをきっかけに、活動拠点を東京に移すことを決めている。

 

高橋:そうですね、これからはよりマジックに打ち込める環境に入れると思うので、もっと練習を重ねて結果を残せるようになりたいですね。マジックへの熱意に溢れた仲間も増やしていきたいです。

 

伊藤:東京ですと鉄板強者やプロプレイヤーともお会いする機会が多そうですよね。

 

小山内:まずお店にプロがいますからね(笑)

 

高橋:そうですね。面接のときもそういったマジックへのやる気や情熱が評価されたのだと思います。この気持ちを忘れずにして行き、最終的にはプロの世界にも足を踏み入れていきたいです。

 

小山内:ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

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