スタンダードTips 6


皆さんお久しぶりです。

シングルスターのレベル1ジャッジ、島村です。

イニストラードを覆う影が発売されてから少し経ってしまいましたが、さっそく恒例のルール解説・豆知識を書いていこうと思います。

数が多いので気になったカードがあったらそこだけ読んでみるのもいいかもしれません。 

 

 




両面カード





イニストラードを覆う影の発売に伴って、両面カードのルールが変更になったので、それぞれについて解説していきます。

  • 以前は両面カードの第2面(裏面)の点数で見たマナコストは0でしたが、第1面(表面)のものを参照することのなりました。
    たとえば、このアヴァシンなら、どちらの面でも点数で見たマナコストは5になります。
    • 両面カード以外には第1面(表面)、第2面(裏面)という区別がないため、《もう一人の自分》で第2面(裏面)のクリーチャーをコピーして戦場に出した場合はマナコストを参照できず、点数で見たマナコストは0になります。
    • 第2面(裏面)のパーマネントAが別の第2面(裏面)のBコピーになった場合、その点数で見たマナコストはAのものでもBのものでもなく0になります。
  • 以前のルールでは、《大天使アヴァシン》がいる状態で自分の天使でないクリーチャーが2体死亡した場合、次のアップキープに変身する誘発型能力が2つスタックに積まれ、《浄化の天使、アヴァシン》に変身した後に《大天使アヴァシン》に戻っていました。
  • 新ルールでは、《浄化の天使、アヴァシン》に変身した後、スタックに残ったもう1つの変身能力は、解決時になにもしません。
  • 両面カードでないカードが何らかの理由で変身した状態で戦場に出ようとする場合、それは元あった領域にとどまることになりました。
    • 例としては、《ヴリンの神童ジェイス》をコピーした《もう一人の自分》が、墓地にカードが5枚以上ある状態で能力を起動したとします。
      能力の解決時に、墓地にカードが5枚以上あるので、《ジェイス》になっている《もう一人の自分》は追放されますが、戦場に戻ろうとする《もう一人の自分》は両面カードではないため、追放領域に留まることになります。
  • 一度戦場を離れ、また戦場に両面カードが戻る場合は、特に指示されていない限り、第1面(表面)の状態になります。
  • 両面カードを使用する際には、以前はデッキ内のすべての両面カードを本物かチェックリストのどちらかに統一しなければなりませんでした。
    今回からは使用される両面カードの種類が増えるため、それぞれのカード毎に本物かチェックリストに統一されていれば大丈夫になりました。
    • 《アクロスの英雄、キテオン》は本物で、《大天使アヴァシン》はチェックリスト、のようなことも可能です。

 





マッドネス


 

以前の「時のらせん」ブロックでも登場したマッドネスですが、こちらもルールに変更がありました。

  • マッドネスを持つカードを効果やコストで捨てる場合、それは必ず代わりに追放領域に捨てられることになります。
    • これは強制なので、墓地にカードが4枚ある状態で《ヴリンの神童ジェイス》の能力を起動してマッドネスを持つカードを捨てた場合、それは追放領域に捨てられるため、墓地には依然としてカードが4枚しかありませんので《ジェイス》は変身できません。
  • 追放領域に捨てられたマッドネスを持つカードは「追放領域からこのカードを唱えてもよい。そうしないならこのカードを墓地に置く」という誘発型能力を作ります。
    これの解決時にマッドネスを持つカードを唱えるかどうかを選ぶことができます。
    • その際、そのカードの唱えられるタイミングは無視されます。
      ソーサリーやクリーチャーであってもそれが捨てられたなら、マッドネスで戦闘中や相手のターンにも唱えることができます。
    • マッドネスを持つカードが誘発型能力の解決前に追放領域から移動した場合、それを唱えることはできません。
      • 《癇しゃく》を捨てたものの、能力の解決前に《虚空の従者》のようなカードで《癇しゃく》を墓地に置かれてしまった場合は《癇しゃく》を唱えることができません。
  • マッドネスで唱える際、それをコストで捨てたか、効果で捨てたかによって解決順が変わってきます。
    • コスト(《苦しめる声》など)で捨てた場合はマッドネスを持つ呪文は捨てるために撃った呪文よりも先に解決されます。
    • 効果や能力(《ヴリンの神童ジェイス》など)で捨てた場合は、その効果や能力の解決が終わった後にマッドネス呪文が解決されます。
      効果や能力の解決中に割り込んだりはしません。

 





昂揚


 

 

  • 昂揚呪文の解決中には、その呪文はスタックにあるので、自分自身はカウントしません。
    • 墓地に「クリーチャー」「ソーサリー」「土地」がある状態で《餌食》を撃っても2体を生贄に捧げさせることはできません。

 





大天使アヴァシン/浄化の天使、アヴァシン


  • 《大天使アヴァシン》と《浄化の天使、アヴァシン》は別の名前のカードなので、それぞれをコントロールすることができます。(レジェンドルールは適用されません)
  • 《大天使アヴァシン》が変身するのは次のターンのアップキープです。それまでに《大天使アヴァシン》が戦場を離れていたりした場合は何も起こりません。

 





アーリン・コード/月の抱擁、アーリン


 

  • 《アーリン・コード》が変身した場合、その上にあった忠誠カウンターは引き継がれます。
    • 出てすぐに「0」能力を起動したなら、《月の抱擁、アーリン》の上には忠誠カウンターが3つ置かれている状態になります。
  • 変身したとしても、それは同じパーマネントなので、もう一度能力を起動することはできません。

 





氷の中の存在/目覚めた恐怖


 

  • 何らかの理由で《氷の中の存在》の上に氷カウンターが無い状態になったとしても、インスタントかソーサリーを唱えて、《氷の中の存在》の能力を解決させなければ変身はしません。
  • 氷カウンターが取り除かれるのは、それを誘発させたインスタントやソーサリーの解決よりも先になります。
  • 《目覚めた恐怖》に変身することによって手札に戻るのはホラーでないクリーチャーだけなので他の《氷の中の存在》や《ギトラグの怪物》は戻りません。

 





 薄暮見の徴募兵/爪の群れの咆哮者


 

 

  • 《爪の群れの咆哮者》の能力で軽減できるのは普通に唱えるクリーチャー呪文だけでなく、マッドネスや変異で唱える際のコストも軽減できます。
  • 《爪の群れの咆哮者》の能力で軽減できるのは不特定マナ(①、②など)だけなので、《難題の予見者》のようなクリーチャーのもつ無色マナ(◇)は軽減できません。

 





石の宣告


 

 

  • 対象にしたクリーチャーと、”そのクリーチャーのコントローラー”の同じ名前のクリーチャーすべてを追放します。
    対戦相手のクリーチャーを対象にした場合、自分が同名のクリーチャーをコントロールしていたとしてもそちらには何も起こりません。
  • 対象になったクリーチャーが《石の宣告》の解決時に不適正な対象になっていた場合(戦場を離れた、呪禁を持った等)《石の宣告》は打ち消されます。
    対象になったクリーチャーと同名のクリーチャーは追放されません。

 





サリアの副官


 

 

  • 《サリアの副官》と他の人間クリーチャーが《集合した中隊》等で同時に戦場に出た場合、それぞれの能力が誘発します。
    • 《サリアの副官》と《アクロスの英雄、キテオン》が同時に戦場に出た場合:
      《サリアの副官》と《アクロスの英雄、キテオン》にそれぞれ+1/+1カウンターが1つずつ置かれます。
    • 《サリアの副官》が2体同時に戦場に出た場合:
       それぞれに+1/+1カウンターが2つずつおかれます。

 





溺墓での天啓


 

 

  • 2つの束に分けるとき、片方の束を0枚にすることも適正です。
    • 例えばX=3で撃ったときは4枚のカードを分けることになりますが、その際4枚と0枚に分けることも可能です。
      基本的に意味はありませんが、《ヴリンの神童、ジェイス》をすぐに変身させたい時などに使えるテクニックです。

 





侵襲手術


 

  • 《侵襲手術》は、書いてある通りに解決をするので、昂揚能力の解決時には対象となった呪文は打ち消されて墓地にあります。
    なので、昂揚を達成していれば対象とした呪文も追放することができます。

 





精神壊しの悪魔


 

 

  • 《精神壊しの悪魔》の昂揚能力は、墓地のカードタイプの数にかかわらずアップキープの開始時に必ず誘発します。
    なので、アップキープの開始時にカードタイプが3種類しかなくても昂揚能力の解決前にインスタントなどでカードタイプを増やすことができればライフは減りません。
    が、逆に解決前に墓地のカードタイプを減らしてしまうとライフが減ってしまいます。

 





十三恐怖症


 

 

  • アップキープの開始時に、どちらをスタックに乗せるかを選びます。
    解決時に選ぶのではありません。
  • 能力の解決時に両方のプレイヤーのライフが13点だった場合、どちらのプレイヤーもゲームに敗北します。
    その際、1勝1敗などでまだ2勝したプレイヤーがいない場合は、4ゲーム目を始めてください。

 





黄金夜の懲罰者


 

 

  • 《黄金夜の懲罰者》の能力は重複します。
    2体いる場合はあなたが受けるダメージは4倍になります。
    しかし、《黄金夜の懲罰者》自身が受けるダメージは2倍のままです。
  • あなたの《黄金夜の懲罰者》とプレインズウォーカーがいる状態で、《癇しゃく》のようなプレイヤーにダメージを与える呪文や能力を撃たれ、そのダメージをプレインズウォーカーに移し変えることを選ばれた場合、そのダメージが2倍になるのかどうかをあなたが選ぶことができます。
  • 《黄金夜の懲罰者》は他のクリーチャーやプレインズウォーカーが受けるダメージは2倍にしません。

 





罪を誘うもの


 

 

  • 土地の点数で見たマナコストは0です。
  • 対戦相手がカードを墓地に置くことを選んだ場合、ダメージが発生するのでその対戦相手のコントロールするプレインズウォーカーにダメージを移し替えることができます。

 





銀毛の援護者


 

 

  • あなたの狼か狼男を対象としたインスタントやソーサリーなら、それのコントローラーがあなたでも対戦相手でも誘発します。
  • 普通に唱えた呪文以外でも、《面晶体の掘削者、ザダ》で作成されたコピーなどでも能力が誘発します。

 





不屈の追跡者


 

 

  • 《不屈の追跡者》が戦場に出てからすぐに土地を置いた場合、割り込むタイミングは存在しません。
    ただし、《サリアの副官》のような「クリーチャーが戦場に出た時に誘発する」誘発型能力がある場合には、土地を置く前に割り込むことができます。
  • 手掛かりは自身の能力以外でも《ピア・ナラ―とキラン・ナラ―》などで生贄に捧げた場合でも誘発します。

 





もう一人の自分


  • 《もう一つの自分》で《放浪する森林》のような収斂を持つクリ―チャーをコピーした場合、《もう一人の自分》を唱えた際に支払ったマナの色を参照します。
    • 《もう一人の自分》を赤マナ1青マナ3緑マナ1でX=で唱え、《放浪する森林》のコピーになった場合、3色のマナを使っているので3つの+1/+1カウンターとX=1の分の+1/+1カウンターで、計4つの+1/+1カウンターが乗って戦場に出ます。
  • 《もう一人の自分》で《搭載歩行機械》のようなマナコストにXを含むクリーチャーをコピーした場合、そのXは0として扱います。
    • 《もう一人の自分》をX=2で唱え、《搭載歩行機械》をコピーした場合、コピー元となった《搭載歩行機械》に乗っている+1/+1カウンターやそれを唱える際に決めたXの値に関係なく、《もう一人の自分》のX=2の分の2つの+1/+1カウンターだけ乗って戦場に出ます。

 





瓶詰め脳


 

 

  • 《瓶詰め脳》の1つ目の能力で唱えられるのは能力の解決時に置かれているカウンターの数に等しい点数で見たマナコストを持ったインスタントかソーサリーだけです。
    • カウンターが1個置かれている状態で1つ目の能力を起動した場合は、1つ置かれてから点数で見たマナコストをチェックするので、点数で見たマナコストが2のインスタントかソーサリーのみ唱えることができます。
  • 《瓶詰め脳》でインスタントやソーサリーを唱える場合、その追加コストなどは払う必要があります。
    • 《苦しめる声》のディスカードや《ヴリンの翼馬》の追加の1マナなどは支払う必要があります。
  • 1つ目の能力の解決前に《瓶詰め脳》が戦場を離れていた場合、解決する前に乗っていたカウンターの数に等しい点数で見たマナコストのインスタントかソーサリーを唱えることができます。
    • カウンターが1個置かれている状態で1つ目の能力を起動し、対応して《コラガンの命令》で《瓶詰め脳》を破壊されてた場合、能力の解決時には点数で見たマナコストが1のインスタントかソーサリーを唱えることができます。

 



いかがだったでしょうか。

プロツアー、GP東京と、スタンダードのイベントが続きますが、この記事が皆様のデッキ構築の手助けになれば幸いです。

それではまた次回。