み・ん・な・ぎ・で・お・ん  written by Osanai

 

 

いよいよ今週末にはアモンケットのプレリリースが開催される。
全ての新カードが出揃った今、多くのプレイヤーが新しいデッキの構築に勤しんでいることと思う。
というわけで、今回は私からも1つ面白い(面白いとは言っていない)デッキを紹介させていただこうと思う。

 

話は少し遡るが、前回の記事を執筆させていただいた際、ツイッターでその紹介をさせてもらったのだ。そしてその時、早速鋭いプレイヤーからのご指摘があったように、実は次のスタンダード環境で使用可能なギデオンは8人ではない。12人だったのだ。

 

 

 

 

 

 

プレインズウォーカーデッキに収録される彼のことを忘れるとは手痛い失態であった。プレインズウォーカーデッキに収録されるカードも番外とはいえ、スタンダードで使用可能であることに変わりはない。私は知らず知らずのうちに、9人目から12人目までのギデオンを蔑ろにしてしまったのだ。この罪は重い。

 

私は深く反省した。一体どうすればギデオンに対し、この罪を償うことが出来るだろうか。彼の持つスーラに四六時中打たれ続ければ彼の気は晴れるだろうか。いや、そんなことになったらむしろ私が確実に絶命する。あの筋肉の塊から振り下ろされる重い一撃一撃に私の肉体が耐えられるはずもない。私だって死にたくはない。

 

となると、やはり別の形で罪を償う必要がある。私は考えた。そして至ったのだ。マジックプレイヤーの端くれとして、ギデオンのために私が出来ること。それは感謝だ。では、その感謝をどう形にすれば良いのか。簡単だ。ギデオンを使い、勝利を勝ち取ればいいのだ。共に戦い、勝利する。これこそが最大の敬意ではないだろうか。

 

というわけで、今回はその贖罪の意味も兼ねてギデオンを採用したデッキを構築することにした。

 

無論、ギデオンは12枚全部使う。

 

 

 

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<12 枚 全 部 使 う>
YYYYYYYYYYYYYYYYY

 

 

 

それではご覧いただこう。これこそ狂気の成せる業である。

 

十二の試練(ゴッドハンド)

 

4スレイベンの検査官/Thraben Inspector
4探検隊の特使/Expedition Envoy
3町のゴシップ屋/Town Gossipmonger
4サリアの副官/Thalia's Lieutenant
4過酷な指導者/Harsh Mentor
3ハンウィアー守備隊/Hanweir Garrison
2栄光の幕切れ/Glorious End
4試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials
4ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar
4武芸の模範、ギデオン/Gideon, Martial Paragon
4感動的な眺望所/Inspiring Vantage
4鋭い突端/Needle Spires
1ハンウィアーの要塞/Hanweir Battlements
9平地/Plains
6山/Mountain

 

 

 

まことに申し訳ないが、サイドボードについては割愛させてもらう。

それではデッキの解説に移りたいと思うが、少なくともこの時点で既に記事の先を読みたくなくなっている方も多いことと思う。そんなときはブラウザバックがおすすめだ。体に無理な負担を掛けるのはよくない。

 

では気を取り直して解説に戻ろう。まずは見たくもないだろうがデッキリストをよく見て欲しい。吐き気がするだろう?

そう、これが人の持つ狂気だ。人間、狂気に身を委ねてしまえば大体何でも出来るものだ。

 

そろそろ真面目に解説しようと思う。まず、12人のギデオン以外の構成から見ていこう。1マナから3マナまでにはスタンダードでも選りすぐりの人間クリーチャー達を配置した。その中にはアモンケットから登場した過酷な指導者も含まれており、これは個人的にも一押しのクリーチャーだ。

 

 

 

 

戦闘せずともその常在型能力でダメージを重ねることが可能で、誘発条件もそこまで難しいものではない。特に機体が溢れている現在では、対戦相手が搭乗を行うだけで2点のダメージを飛ばせるのは非常に便利だ。

 

もちろんスタンダードだけでなく、下の環境での活躍も期待が持てる。フェッチランドを起動しようものならそれだけで3点。さらにそこからショックランドをアンタップインさせればもう2点。そこから思考囲いを打とうものならさらに2点。合計7点。頭おかしい。

 

話が逸れたが、デッキ全体の動きとしては序盤から低マナ域のクリーチャーを展開し、サリアの副官で全体を強化しつつ早期決着を狙うアグロデッキとなっている。

この手のデッキは往々にして全体除去に弱いのだが、そこを補ってくれるのがハンウィアー守備隊と12人のギデオンズだ。特に戦闘においてはほぼ無敵となる各種ギデオンは、まさしく現代によみがえったバーサーカーと称していいだろう。それが12人。負ける理由がない。もはや勝利は目前だ。

 

そしてこのデッキに唯一採用されているクリーチャーではない呪文にも注目したい。そう、栄光の幕切れである。

 

 

 

 

このカード、強制的にターンを終了させるのは素晴らしいのだが、代償として次の自分の終了ステップにゲームに敗北してしまうという大きなリスクがある。

使い方としては序盤からクリーチャーで攻め立て、返しで相手の全体除去さえなければ次の攻撃で勝てるというときに、対戦相手のアップキープに唱えてターンを強制的に終了させてしまうのが一般的だろう。これでソーサリータイミングの全体除去は完全に封殺できる。

 

しかしまだ安心は出来ない。確実に仕留めきることが出来なければ、こちらの敗北だ。まさにハイリスクハイリターンではあるが、このデッキにはそのリスクさえ0にしてしまうギミッ クが内蔵されている。そう、試練に臨むギデオンがもたらす紋章だ。
これにより、自分の場にギデオンがいれば敗北はなくなる。まさにノーリスクで追加のターンを得たようなものだ。

 

こうして見ると実に無駄のない最強のデッキに見えてくる(錯覚)が、もちろんこのデッキにも弱点はある。

ギデオンを引き過ぎると頭がおかしくなって死んでしまう。

3ターン目にギデオン、4ターン目にギデオン、5ターン目にもギデオン。墓地には2枚のギデオン。めちゃくちゃである。

 

ギデオンの引き過ぎには気をつけよう!

 

 

 

さて、いかがだっただろうか。さすがに12枚のギデオンはやり過ぎ感が否めないが、こういう遊び方もあるんだよ程度に記憶の隅に留めて置いていただけると幸いだ。実際、全てのギデオンが実用レベルには達しているのではないかと個人的には感じている。ぜひ皆さんにも試していただきたい。

 

それでは今回はこの辺で。