スタンダードTips 第二回

 


 

みなさん、こんにちは!シングルスターでジャッジをしているレベル1の島村です。

今回は「スタンダードTIPs」という題名ではあるものの、今日5月29日から行われるグランプリ千葉に向けて、「モダンマスターズ」リミテッドで気を付けておきたい、ややこしいカードたちをご紹介したいと思います。

 

 


 

  • ”召集”についてのあれこれ


現在のスタンダードでもよく見る《かきたてる炎》にもついている”召集”ですが、スタンダードでは起こらないような現象に出くわす場合があります。
それぞれについて見ていきましょう。

 

  • ”召集”と”エルドラージ・落とし子”

 

 「”召集”呪文を唱えるときに、”エルドラージ・落とし子”トークンをタップしてから、生贄に捧げてマナを出せば、2マナ分になるじゃん!


 ……そう思った人も、もしかしたらいるかもしれません。しかし、残念ながらそれは不可能なのです!

 

 

・なぜか?


 呪文を唱える手順は、まず土地をタップするなどの「マナ能力」を起動して、その後「マナを支払う」という手順を踏むことになります。


 落とし子のマナを出す能力は「マナ能力」、召集でクリーチャーをタップするのは「マナを支払う」段階なので、落とし子を生け贄にしてマナを出してしまうと、召集でクリーチャーをタップするときにはもう戦場から退場しているのです。


 以上から、「生贄に捧げてマナを出す」か、「召集でタップして1マナ分を支払う」のどちらかだけを選ぶことになります。基本的には召集でタップした方が良いでしょうね。

 

  • 召集と追加コスト


 召集能力で支払うことができるのは、右上に書かれたマナ・コストだけではありません!
 《磁石のゴーレム》で増えた分のマナの支払いも、《カヴーの上等王》のキッカーコストも召集でクリーチャーをタップすることによって支払うことができます。

 

 

召集でキッカーが美味い!

 


 

  • 《先駆のゴーレム》

 

 

 

  • 自分の種族がゴーレムのカードが対象になった時、種族がゴーレムのカード全てに呪文がコピーされます。

 《先駆のゴーレム》や自身が出したトークン以外にも、《磁石のゴーレム》や”多相”持ちのクリーチャー、クリーチャー化した《錆びた秘宝》などが対象になっても能力が誘発します。また相手の場にゴーレムがいるときに自分のゴーレムが対象になったら、相手のゴーレムにも呪文がコピーされることも覚えておきましょう。

 

  • コピーされるのは「インスタント」か「ソーサリー」のみで、かつゴーレムのカード1体のみを対象としているものだけです。

 《まばゆい魂喰い》の起動型能力にまとめてタップされたりはしません。

 

 

 

 また、《ヴェリズ・ヴェルの刃》などの複数の対象を取ることができるカードで《先駆のゴーレム》とゴーレムトークンの両方や、ゴーレムと他のクリーチャーを対象にした場合にはコピーされません。

 

 

 

 

『最大』2体なので1体だけを対象にすればOK!

 

 

  • コピーされた呪文は追加のコストなどを要求することはありません

 《骨の粉砕》がコピーされても、さらにクリーチャーを生贄に捧げる必要はありません。
 《四肢切断》や《変異原生の成長》などをライフを支払って唱えてそれがコピーされても、さらにライフを払うことはありません。

 

 

 

追加コストは必要なし!

 

 

  • オリジナルの呪文の対象になったクリーチャーが対象不適正になっても、他のゴーレムにはコピーが作成されます。

クリーチャー化した《錆びた秘宝》が《四肢切断》の対象になった時、《血の座の吸血鬼》などでアーティファクトを減らして、《錆びた秘宝》をクリーチャーでなくしたとしても、《先駆のゴーレム》の能力は誘発してしまっているので、他の”ゴーレム”に《四肢切断》はコピーされてしまいます。

 対応して《血の座の吸血鬼》で《先駆のゴーレム》を生贄に捧げた場合でも、能力は誘発してしまっているので、コピーされてしまいます。

 


 なにやら難しいことが書かれているこのカードですが、自分が得するように、また損をしないように注意しましょう!

 


 

  •  《呪文滑り》

 

 

  • 《呪文滑り》が対象になれない呪文や能力、対象を取らない呪文や能力に対しても、能力を起動することはできますが、対象を変更することは出来ません。

 相手の”装備”能力や《鏡割りのキキジキ》の能力、《呪文滑り》がエンチャントされていない状態での《夜明けの宝冠》などは《呪文滑り》が対象となれないため”滑らせる”ことは出来ません。

  • 能力の解決前に《呪文滑り》が戦場を離れた場合には対象の変更は行われません。・その呪文や能力が「他の~を対象とする」と書かれていない場合、能力を複数回起動することによって対象を全て《呪文滑り》にすることができます。

 例えば、《苦悶のねじれ》を能力を2回起動することによって、両方の対象を《呪文滑り》にすることが出来ます。
 キッカーされた《彗星の嵐》は「他のクリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。」とあるのでダメージを1つしか”滑らせる”ことは出来ません。

 


 

 

  • 《屍滑り》

 

 

・戦闘によって《屍滑り》が死亡してしまう場合でも、もともと-1/-1カウンターが乗っていたクリーチャーや”萎縮”で-1/-1カウンターが乗るクリーチャーが同時に死亡するなら、そのクリーチャーを奪うことができます。

 


 

  • 《練達の育種師、エンドレク・サール》

 

 

・《練達の育種師、エンドレク・サール》を生贄に捧げる能力が誘発してしまったら、解決時にスラルが6体以下になっていたとしても、《練達の育種師、エンドレク・サール》は生贄に捧げられてしまいます。

 


いかがでしたでしょうか?
この記事があなたのグランプリ千葉での一勝に貢献できれば幸いです。

ではまた次回!